|
通常のハーフサイズカメラは普通に横に構えると縦長の画面になるのが一般的。そこをフィルムを縦送りにすることで横位置の画面にしたのがこのダイヤル35。もともとはキャノンの技術者が個人的に作ったプロトタイプらしい。
ダイヤル35 レンズの周りに並ぶ受光体のデザインが電話のダイヤルに似ていることからこ の名が付けられた。
バリエーションとしては、機能、諸元が全く同じのOEMモデルのBELL&HOWELL Dial35(アメリカの映画用機材の大手メーカー、ベル&ハウエル社)と5年後
に出たダイヤル35−2(変更点はスプリングの強化とASA1000まで拡大 されただけ)及び、試作機として全天候型のオリーブモデルがあるらしい。こ
のオリーブモデル、持ってる人がいるのだろうか?
ベル&ハウエルモデルにはバイオリンの様なハードケースが付属。これはちょっ と格好良い。 しかし、5年後のモデル変更でもほぼ仕様が変わらなかったというのは、いか
に初代の完成度が高かったかという証明だと思う。
デミと比較すると、ゾーンフォーカスではない、距離目測のフォーカシング、 マニュアル露出などベテラン向けの仕様となっている。水銀電池なしでもマニュ
アル絞りで撮影できるのだ。
このダイヤル35を愛用した外国カメラマンにヘルムート・ニュートンがいる。
彼はニューヨークで売れ残っていたハウエルのダイヤル35を買って撮影に使っ ていたらしい。
特徴的なメカニズムとして、ゼンマイによる自動式のフィルム巻き上げ・巻き戻しは特筆に価する。
形が変わっているが単なる珍品ではなく、機能的にも大変優れた実用機。
■参考リンク
・ダイアル35(キャノン)
・ダイアル35-2型
・Canon
Service Manual for DIAL35
・ あのDIAL35の内部は(貴重なレストア情報)
|
※ヘルムート・ニュートンは1920年ドイツのベルリンの裕福なユダヤ人家庭に生まれた。
12歳で自分自身でカメラを買い写真を撮り始めた。1936年からベルリンのファッションおよび演劇専門の女性写真家エルス・サイモン(通称イバ)の見習いになり写真を学び始める。
60年〜70年代にかけて各国のヴォーグ誌、マリークレール、エル、シュテルン、プレイボーイで活躍す。 しかしそのスタイルは1971年に心臓発作を起こして大きな転機を迎える。以降ニュートンは自分の体のことを考え自分の望むイメージしか撮らなくなった。雑誌やクライエントの為に心臓に負担のかかるプレッシャーの中でアイデアを絞りだすことをやめたのだった。
彼の写真スタイルはより激しいセクシーさやエロティシズムを追求するように変貌していく。今までファッション写真ではタブーであった
売春婦、フェティシュ、女性の男装などをモチーフに取り入れた。
1975年からオリジナル・プリントの展示、販売を初め、彼の作品は世界中のギャラリー、美術館で 展示されるとともにコレクションされている。1981年よりモナコに在住、現在80歳にもかかわらず現役で広告、ヴォーグ誌、ヴァニティー・フェアー誌で作品を発表している。
日本ではヘアヌードがブームの90年代前半に石田えりの写真集を撮り下ろして話題に。
【上の写真:罪 immorale 石田えり 【発行】講談社 【撮影】ヘルムート・ニュートン 【定価】3800円
※絶版 】
▼ヘルムート・ニュートンの写真集(アマゾンで購入可能なもの)
|
|